マンション/ミッドセンチュリー
LIXILメンバーズコンテスト2021地域優秀賞
母が他界後、築42年の木造住宅に独居していた父が高齢となり、一人暮らしが困難になってきた為、中古マンションを購入してリノベーションし、29年ぶりに同居することにしました。丁度知人が戸建てを新築し手持ちのマンションを売りに出すという事で、その立地条件から即決しました。
前住の家族が知人だった事もあり、不満や不具合などを詳細に聞き取る事が出来たのでそれらが、リノベーション後の住まい方に大変参考になりました。対面キッチンなのにリビングとコミュニケーションが取り辛い事、暗く風通しが悪いこと、動線が全て分断されて行き止まりの為不便を感じていた事などでした。
立地南側が緑地公園と隣接しており、桜・紅葉・リス・鶯・狸、と借景が素晴らしく、リビングからいつでも眺めていたいお気に入りの場所です。キッチンでお料理しながらTVを観たり話をしたり当たり前の時間が大事に思えます。森林浴の風も心地よく、この夏は冷房を利用した記憶が無いくらい爽やかに過ごせました。
マンションのリノベーションについて言えば、マンションの管理組合・規約についてや、工事期間等の手続きなどやることが山積します。両隣上下など大きな音が出るので挨拶やご理解いただくことも大切です。きめ細やかにその辺りもしっかり対応してくれる業者さんを選ぶことも大事ですし、自分達の環境や住まい方、好き嫌い、将来の暮らし方など相談できる担当さんがいると万事について安心できます。
マンション住まいが初めてのお父さまは、周りからの音よりも自分たちの生活音が迷惑にならないかと気にしておいででした。一部窓に内窓を設置、カーテンレールを消音レールの採用にしたりとストレスにならない設えの提案をしました。今回、父娘さまお二人で兎に角楽しく平穏にお暮しになれるよう「通風・採光・温熱・調湿・通信」と、快適さを盛り込めたと思いますし、難しい管工事やバリヤフリーをおさめてくれた職人さん達にも感謝です。築34年のマンションの資産価値を間違いなく上げられたと思っています。